はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
歯科医院の支援を得意としている公認会計士・税理士が歯科医院の会計や税金について解説します。
今回は、歯科医師先生が設立する社団医療法人、その構成員である社員で構成される社員総会について説明したいと思います。
社団医療法人については下記も参照ください
社団医療法人のしくみ | 社団医療法人の基礎-1
社団医療法人の機関 | 社団医療法人の基礎-2
社員とは | 社団医療法人の基礎-3
社員総会とは | 社団医療法人の基礎-4
理事・理事長とは | 社団医療法人の基礎-5
監事とは | 医療法人の監事-1
社員総会とは
社員総会は、社団医療法人の構成員である社員によって構成される合議体で、社団医療法人の最高意思決定機関になります。
社員についてはこちら
社員とは | 社団医療法人の基礎-3
株式会社における株主総会のようなものであるとイメージしてください。
ただし、株式会社の株主総会では、保有する株式数に応じた議決権割合があるのに対して、
社団医療法人の社員総会では、社員1人に対して1個の議決権を有しており出資の有無や金額などよって議決権の数が変わることはありません。
社員総会には、年に1回は開催しなければならない定時社員総会と、必要に応じて開催される臨時社員総会があります。
社員総会の議決事項
社員総会は社団医療法人の最高意思決定機関であるため、社団医療法人の重要な事項を決定する場合は、社員総会の議決が必要になります。
例えば、次のような事項は社員総会の議決を要するものとされています。
- 社員の入社
- 社員の除名
- 理事・監事の専任
- 監事・監事の退任
- 定款の変更
- 事業計画の決定
- 収支予算の決定
- 決算の決定
- 基本財産の設定や処分、担保提供
- 剰余金や損失金の処理
- 借入金の限度額の決定
- 他の医療法人との合併
- 当社団医療法人の解散
社員総会の注意するポイント
社員総会は、最高意思決定機関として社団医療法人という組織の基盤になります。しかし、その開催や運営などが適正になされていない場合があります。
例えば、次のような状況に当てはまる場合には、社団医療法人の運営が揺らいでしまうことになりかねないので注意してください。
- 議事録だけ作成しているが、実際には社員総会を開催していない
- 社員総会と理事会を混同している
- 定款の記載に従った招集手続きを経ていない
- 議事録の内容が開催された社員総会の実態と異なる
社員総会の前提についての確認事項
社員総会の前提として、次のようなことができているか確認してください。
- 社員総会と理事会をしっかりと区別している
- 社員名簿を整備して、現時点の全ての社員の氏名や住所などを正確に把握している
- 議事録の作成だけで済ませるのではなく、実際に社員総会を開催している
- 定時社員総会の開催について定款の定めを遵守している
社員総会の招集手続きについての確認事項
社員総会の招集手続きについて、次のようなことができているか確認してください。
- 招集通知が定款の定めに従って行われている
- 招集通知が社員総会の開催日の5日前までには行われている
- 招集通知には日時、場所、会議の目的である事項が記載されている
- 招集通知は全ての社員に対して行われている
社員総会の開催についての確認事項
社員総会の開催について、次のようなことができているか確認してください。
- 社員総会の開会について定足数が充足されている
- 特定の議案について定足数の特則(過半数ではなく2/3以上とするなど)が定款に定められていることを把握している
- 社員総会において議長が選任されている
社員総会の議決についての確認事項
社員総会の議決について、次のようなことができているか確認してください。
- 各議決事項について説明・審議・議決という手順を経ている
- 招集通知に記載した事項について議決している
- 招集通知に記載されていない事項を議決する場合、「ただし、急を要する場合はこの限りではない。」などの定款の例外規定を濫用していない
- 議決権は社員1人につき1個である
- 医療法や定款の定めによって議決権が制限される社員は議決に参加していない
- 社員総会の議事は、出席者の過半数で決し、可否同数のときは議長が決している(定款に別段の定めがある場合は除く)。
- 特定の議案について議決要件の特則(過半数ではなく2/3以上とするなど)が定款に定められていることを把握している
- 議決権の行使を書面で行う場合は定款のルールを遵守している
- 議決権の行使を代理人によって行う場合は定款のルールを遵守している
社員総会の議事録についての確認事項
社員総会の議事録について、次のようなことができているか確認してください。
- 議事録の内容は社員総会の実態を反映している
- 社員総会開催順に議事録を全て保管している
- 議事録に次の事項を記載している
- 開催年月日
- 開催時刻
- 開催場所
- 出席者氏名
- 議案
- 議案に関する発言内容
- 議案に関する表決結果
- 議事録署名人の署名、署名年月日
おわりに
税理士をお探しの歯科医師先生や歯科医院・医療法人の方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある税理士法人インテグリティにお声がけください。歯科医院特有の会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスにも強い公認会計士・税理士が、歯科医院が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。