歯科医院の消費税 間違えやすい簡易課税のみなし仕入率

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院を支援する公認会計士・税理士が税金や節税について解説します。

今回は、歯科医院の消費税の計算を簡易課税で行う場合の、みなし仕入率について説明したいと思います。

 

 

歯科医院の消費税の計算方法

消費税の計算方法には、次の2つがあります。

  • 原則課税(計算が面倒)
  • 簡易課税(計算が簡単)

 

歯科医院の場合は、簡易課税で計算した方が節税になる(納める消費税の額が少なくなる)可能性が高いですが、どちらで計算した方がより節税になるのかは、実際に原則課税と簡易課税の両方で計算してみて、その結果を比べてみないとわかりません。

 

 

簡易課税の計算方法

簡易課税では、消費税を次のように計算します。

消費税の納付税額 =
( 課税売上高 × 消費税率 ) - ( 課税売上高 × 消費税率 × みなし仕入率 )

歯科医院の課税売上高とは、

  • 自由診療報酬
  • ブラシ等販売収入
  • 事業用固定資産の売却代金

などが該当します。保険診療収入は課税売上高にはなりません。

消費税の簡易課税では、業種別に定められているみなし仕入率のうち、どれを使うかに注意する必要があります。

 

 

歯科医院のみなし仕入率

みなし仕入率は、事業の種類によって5つに区分されています。

みなし仕入率
事業区分 みなし仕入率 歯科医院
第一種事業 卸売業 90%
第二種事業 小売業 80% 歯ブラシ等の販売収入
第三種事業 製造業等 70%
第四種事業 その他の事業 60% 事業用固定資産の売却代金
第五種事業 サービス業等 50% 自由診療報酬

歯科医院においては、売上の区分に応じて次のように使い分けます。

  • 自由診療報酬は第五種
  • 歯ブラシなど(仕入れたものをそのまま販売するモノ)の販売収入は第二種
  • 事業用固定資産の売却代金は第四種

 

歯科医院の簡易課税におけるよくある間違いとしては、歯ブラシなどの販売収入を自由診療報酬と同じ第五種に入れてしまったり、事業用固定資産の売却代金を課税売上高に含めないなどがあります。

 

おわりに

原則課税に比べて簡易課税による消費税の計算は簡単ではありますが、今回のみなし仕入率の適用など間違いやすいポイントは少なくないので注意してくださいね。

簡易課税については下記ページも参照ください。
歯科医院の消費税 簡易課税とは 原則課税と比べて得なのか

 

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。