はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
歯科医院を支援する公認会計士・税理士が歯科診療所経営のための財務分析について解説します。
今回は、固定比率と同様に設備投資など固定資産の資金源泉の適正性を調べるための安全性分析指標である固定長期適合率比率について説明したいと思います。
固定資産の特徴
固定資産に投資された資金は減価償却費となって毎年少しずつ回収されるため、全額が回収されるまでには長い期間を要します。
そのため、固定資産の購入する場合の資金は、返済期限が決まっている借入金(他人資本)で調達するのではなく返済の必要がない自己資本で調達した方が、財務体質が安定します。
とはいえ、固定資産の購入資金の全額を自己資本でまかなうのは難しいのが実際のところです。そのため、足りない分については借入をすることになると思いますが、その場合は返済期限が長期にわたる借入金(固定負債)で調達するのが望ましく、返済期限が長期の借入金であれば自己資本に次いで安定した資金であるといえます。
固定長期適合率とは
歯科診療所の土地や建物、内装費などの箱モノ、歯科ユニットチェア、歯科用CT・レントゲンといった医療機器などの固定資産が、自己資本(個人事業主の場合は元入金)と固定負債(返済期限が長期の借入金)で調達されている割合を固定長期適合率といいます。
なお、固定資産が自己資本で調達されている割合を固定比率といいます。
固定比率についてはこちら
固定比率とは | 歯科医院の安全性分析-3
固定長期適合率は次の式によって計算します。
固定長期適合率(%) = 固定資産 / ( 自己資本 + 固定負債 )
この固定長期適合率は100%以下が必須で70%以下が望ましいです。
固定長期適合率が100%を超える場合は、設備投資などの固定資産の購入を短期資金でまかなっている状態になります。
この状態は固定資産の一部を1年内に返済しなければならない流動負債で調達していることを意味しており、資金繰りが非常に厳しい状態であるのでご注意下さい。
おわりに
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。