カテゴリー: 医療法人

医療法人を設立した場合の個人事業当時の従業員の退職金の取扱い

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

東京の歯科医師先生と歯科医院を支援する公認会計士・税理士が税金や節税について解説します。

今回は、医療法人を設立した場合の個人事業当時の従業員の退職金の取扱いについて説明したいと思います。

 

 

個人歯科医院から医療法人へ

個人で経営していた歯科医院を医療法人化して、従業員を引き続き雇用している場合、その従業員が退職した際に支払う退職金を計算する基礎となる勤続年数はどうなるのでしょうか。

 

原則としては、個人の歯科医院と新たに設立された医療法人は別組織であるため、個人歯科医院を廃業した時点で従業員はいったん退職して個人事業主として歯科医師先生個人が退職金を支払って、新たに設立した医療法人で再雇用することになります。

 

個人歯科医院を廃業した時点で退職金を支払わないで、医療法人化してからの従業員の退職時に個人歯科医院の期間も合わせて退職金を支払う場合は、個人事業主時代の負担分と医療法人設立後の医療法人負担分に分けて、個人負担分は個人の必要経費、医療法人負担分
は法人の損金として処理します。

 

しかし、その従業員の退職が医療法人を設立して相当の期間(だいたい5年程度)が経過した後に行われた場合は、支払った退職金全額を法人の損金にすることができます(もちろん、全額を法人の損金にした場合は、個人の必要経費にできる金額はありません)。

 

 

全額を法人の損金にする場合の注意点

退職金の全額を法人の損金にする(個人歯科医院当時の勤続年数を合算する)場合のおもな注意点は下記のとおりです。

上記のとおり、医療法人設立後おおむね5年程度が経過した後に退職した従業員に支払った退職金でないと全額を法人の損金にすることはできません。

また、医療法人の退職給与規程などに個人歯科医院当時からの期間を含めた勤続期間を基礎として退職金を計算する旨が定められており、それに従って計算した退職金を支払うのであれば、原則として、個人事業当時の勤続期間を含めて勤続年数を計算することができます。

なお、退職した者が青色事業専従者の場合は、あくまでも医療法人設立から退職するまでの期間が勤続年数になります。他の従業員と異なり個人の歯科医院当時の勤務期間については退職金を支払うことはできません。

 

 

おわりに

税理士を探している東京都の歯科医師先生や歯科医院・医療法人の方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある税理士法人インテグリティにお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、歯科医院が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

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歯科医師先生や歯科医院のお役に立てる情報があるかもしれないので、こちらの情報の一覧もご覧になってみてください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

個人歯科医院から医療法人に引き継いだ減価償却資産と減価償却費の取り扱い

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

東京の歯科医師先生と歯科医院を支援する公認会計士・税理士が税金や節税について解説します。

今回は、医療法人化した場合の個人歯科医院の減価償却資産と減価償却費の取り扱いについて説明したいと思います。

 

 

減価償却資産の引き継ぎ

個人開業の歯科医院で使っていたユニットチェアやレセコンなどの減価償却資産を、医療法人に引き継ぐ場合は、次の2つの方法があります。

  • 歯科医師先生個人から設立した医療法人に減価償却資産を譲渡する
  • 医療法人の設立に際して、歯科医師先生が減価償却資産を現物出資する

どちらの方法であっても、歯科医師先生の個人事業における帳簿価格(取得価格-減価償却累計額)での譲渡、現物出資になります。

帳簿価格で譲渡する場合は、歯科医師先生個人に譲渡所得は発生しないため、所得税の心配はありませんが、自由診療報酬が多いなどで課税事業者になっている場合は消費税に注意して下さい。

なお、歯科医師先生個人から設立した医療法人に減価償却資産を貸し付ける、という方法もありますが、賃貸料の授受などが面倒であるため、あまり利用されていません。

 

 

減価償却費の取り扱い

個人開業の歯科医院で使っていたユニットチェアやレセコンなどの減価償却資産を、医療法人に引き継いだ場合のその減価償却資産にかかる減価償却費については、

  • 医療法人の設立日までの減価償却費は、歯科医師先生個人の事業所得における必要経費
  • 医療法人の設立日移行の減価償却費は、医療法人の経費(損金)

として取り扱うことになります。

医療法人においては、個人から減価償却資産を引き継いだ、すなわち中古資産を取得したことになるので、法定耐用年数ではなく、中古資産の耐用年数を用いて減価償却費を計算します。

 

 

おわりに

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理事・理事長とは | 社団医療法人の基礎-5

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院の支援を得意としている公認会計士・税理士が歯科医院の会計や税金について解説します。

今回は、歯科医師先生が設立する社団医療法人における理事と理事長について説明したいと思います。

 

 

 

理事・理事長とは

医療法人には、役員として、原則3名以上の理事と1名以上の監事を置く必要があります。

役員のうち監事についてはこちら
監事とは | 医療法人の監事-1

 

社団医療法人においては、理事は社員総会で選任されます。
そして医療法人の業務は、社員総会で選ばれた理事の過半数によって決定されます。

理事長は理事のうち医療法人を代表する者で、理事長は理事の互選によって選ばれます。

理事は株式会社における取締役、理事長は株式会社における代表取締役のような存在であるとイメージしてください。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した社団医療法人のしくみ

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した社団医療法人のしくみ

 

 

理事・理事長について注意するポイント

理事・理事長は、社団医療法人の運営・業務の執行において重要な役割を持ちます。しかし、その役割について誤った運用がなされている場合が少なくありません。

例えば、次のような状況に当てはまる場合には、社団医療法人の運営が揺らいでしまうことになりかねないので注意してください。

  • 本人の意思確認を行わず名目的に理事を選任している
  • 理事選任についての定款などの定めを遵守していない
  • 理事長以外の理事が医療法人の運営に関与していない
  • 理事の任期終了による改選が行われていない
  • 理事が欠員している状態で放置している
  • 理事になる資格が無い者が理事となっている
  • MS(メディカル・サービス)法人の役員や職員が、例外要件を満たしていないのに、医療法人の理事を兼任している

 

 

理事になる資格についての確認事項

理事・理事長になる資格について、次のことが満たされているか確認してください。

  • 理事は自然人である(法人ではない)
  • 理事の選任に際して欠格事由の有無が確認されている
    • 成年被後見人・被保佐人
    • 医療法、医師法、歯科医師法その他医事に関する法令の規定によって罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わった(執行を受けることがなくなった)日から2年が過ぎていない者
    • 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、執行を受けることがなくなるまでの者
  • 医療法人の理事と、その医療法人と経営上利害関係にあるMS法人などの営利法人の役職員を兼務しようとする場合は、例外要件の充足を確認している
  • 理事会に出席することが明らかに困難な者が名目的に理事に選任されていない
  • 理事長は、医師・歯科医師である理事から選出されている
  • 医療法人が開設する診療所等の管理者は理事に就任している

 

 

理事の定数と任期についての確認事項

理事の定数と任期について、次のことができているか確認してください。

  • 3名以上の理事を置いている
  • 3名未満の理事しか置かない場合は、都道府県知事の認可を得ている
  • 理事に欠員は生じていない
  • 理事の任期は2年以内に定められている
  • 理事の任期が満了する前に再任・改選の手続が行われている

 

 

理事の選任と退任についての確認事項

理事の定数と任期について、次のことができているか確認してください。

  • 理事の選任・再任に際しては、本人による署名・押印がある就任承諾書の提出などによって、意思確認が行われている
  • 理事の選任・再任に際しては、社員総会の決議など定款に定められた手続を経ている
  • 理事の選任・再任を証明する、社員総会議事録や就任承諾書などが作成・保管されている
  • 理事の辞任に際しては、本人による署名・押印がある辞任届の提出などによって、意思確認が行われている
  • 理事の退任を証明する、社員総会議事録や辞任届などが作成・保管されている
  • 役員の変更があるたびに、都道府県知事に役員変更の届出を行っている
  • 役員名簿を作成して、変更があるごとに更新して備置きしている

 

 

理事長の選出についての確認事項

理事長の選出について、次のことができているか確認してください。

  • 理事長の選出・再任にあたっては、定款に定められた手続を経ている
  • 理事長の選出・再任を証明する理事会議事録などを作成・保管している
  • 理事長の選出・再任のたびに、理事長変更の登記申請をしている
  • 理事長変更登記の後、都道府県知事に登記済報告書を提出している
  • 理事長に事故があった場合などの理事の代行順位を定款などに定めている

 

 

おわりに

税理士をお探しの歯科医師先生や歯科医院・医療法人の方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある税理士法人インテグリティにお声がけください。歯科医院特有の会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスにも強い公認会計士・税理士が、歯科医院が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

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社員総会とは | 社団医療法人の基礎-4

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院の支援を得意としている公認会計士・税理士が歯科医院の会計や税金について解説します。

今回は、歯科医師先生が設立する社団医療法人、その構成員である社員で構成される社員総会について説明したいと思います。

 

 

 

社員総会とは

社員総会は、社団医療法人の構成員である社員によって構成される合議体で、社団医療法人の最高意思決定機関になります。

社員についてはこちら
社員とは | 社団医療法人の基礎-3

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した社団医療法人のしくみ

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した社団医療法人のしくみ

 

株式会社における株主総会のようなものであるとイメージしてください。

ただし、株式会社の株主総会では、保有する株式数に応じた議決権割合があるのに対して、
社団医療法人の社員総会では、社員1人に対して1個の議決権を有しており出資の有無や金額などよって議決権の数が変わることはありません。

社員総会には、年に1回は開催しなければならない定時社員総会と、必要に応じて開催される臨時社員総会があります。

 

 

社員総会の議決事項

社員総会は社団医療法人の最高意思決定機関であるため、社団医療法人の重要な事項を決定する場合は、社員総会の議決が必要になります。

例えば、次のような事項は社員総会の議決を要するものとされています。

  • 社員の入社
  • 社員の除名
  • 理事・監事の専任
  • 監事・監事の退任
  • 定款の変更
  • 事業計画の決定
  • 収支予算の決定
  • 決算の決定
  • 基本財産の設定や処分、担保提供
  • 剰余金や損失金の処理
  • 借入金の限度額の決定
  • 他の医療法人との合併
  • 当社団医療法人の解散

 

 

社員総会の注意するポイント

社員総会は、最高意思決定機関として社団医療法人という組織の基盤になります。しかし、その開催や運営などが適正になされていない場合があります。

例えば、次のような状況に当てはまる場合には、社団医療法人の運営が揺らいでしまうことになりかねないので注意してください。

  • 議事録だけ作成しているが、実際には社員総会を開催していない
  • 社員総会と理事会を混同している
  • 定款の記載に従った招集手続きを経ていない
  • 議事録の内容が開催された社員総会の実態と異なる

 

 

社員総会の前提についての確認事項

社員総会の前提として、次のようなことができているか確認してください。

  • 社員総会と理事会をしっかりと区別している
  • 社員名簿を整備して、現時点の全ての社員の氏名や住所などを正確に把握している
  • 議事録の作成だけで済ませるのではなく、実際に社員総会を開催している
  • 定時社員総会の開催について定款の定めを遵守している

 

 

社員総会の招集手続きについての確認事項

社員総会の招集手続きについて、次のようなことができているか確認してください。

  • 招集通知が定款の定めに従って行われている
  • 招集通知が社員総会の開催日の5日前までには行われている
  • 招集通知には日時、場所、会議の目的である事項が記載されている
  • 招集通知は全ての社員に対して行われている

 

 

社員総会の開催についての確認事項

社員総会の開催について、次のようなことができているか確認してください。

  • 社員総会の開会について定足数が充足されている
  • 特定の議案について定足数の特則(過半数ではなく2/3以上とするなど)が定款に定められていることを把握している
  • 社員総会において議長が選任されている

 

社員総会の議決についての確認事項

社員総会の議決について、次のようなことができているか確認してください。

  • 各議決事項について説明・審議・議決という手順を経ている
  • 招集通知に記載した事項について議決している
  • 招集通知に記載されていない事項を議決する場合、「ただし、急を要する場合はこの限りではない。」などの定款の例外規定を濫用していない
  • 議決権は社員1人につき1個である
  • 医療法や定款の定めによって議決権が制限される社員は議決に参加していない
  • 社員総会の議事は、出席者の過半数で決し、可否同数のときは議長が決している(定款に別段の定めがある場合は除く)。
  • 特定の議案について議決要件の特則(過半数ではなく2/3以上とするなど)が定款に定められていることを把握している
  • 議決権の行使を書面で行う場合は定款のルールを遵守している
  • 議決権の行使を代理人によって行う場合は定款のルールを遵守している

 

 

社員総会の議事録についての確認事項

社員総会の議事録について、次のようなことができているか確認してください。

  • 議事録の内容は社員総会の実態を反映している
  • 社員総会開催順に議事録を全て保管している
  • 議事録に次の事項を記載している
    • 開催年月日
    • 開催時刻
    • 開催場所
    • 出席者氏名
    • 議案
    • 議案に関する発言内容
    • 議案に関する表決結果
    • 議事録署名人の署名、署名年月日

 

 

おわりに

税理士をお探しの歯科医師先生や歯科医院・医療法人の方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある税理士法人インテグリティにお声がけください。歯科医院特有の会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスにも強い公認会計士・税理士が、歯科医院が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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社員とは | 社団医療法人の基礎-3

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院の支援を得意としている公認会計士・税理士が歯科医院の会計や税金について解説します。

今回は、歯科医師先生が設立する社団医療法人の社員について説明したいと思います。

 

 

 

社員とは

社員とは、社員総会において1人1個の議決権を持つ、社団医療法人(以下、医療法人)の構成員のことをいいます。

ここで言う社員とは、従業員のことでありません。完全に同じではないですが株式会社における株主のような存在であるとお考え下さい。

社員が医療法人の構成員であるのに対して、従業員は医療法人が雇用している人になります。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した社団医療法人のしくみ

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した社団医療法人のしくみ

 

 

社員の注意するポイント

社員は、社団医療法人の構成員としてとても重要な存在です。
しかし、その重要性が理解されていない事がけっこうあります。

例えば、次のような状況に当てはまる場合には、社団医療法人の運営が揺らいでしまうことになりかねないので注意してください。

  • 社員と従業員を混同している
  • 社員と役員を混同している
  • 社員名簿を作成していないため、社員を正確に特定できない
  • 社員名簿を更新していないため、現在の社員を正確に特定できな
  • 社員の入社と退社の手続に不備があるため、現在の社員を正確に特定できない
  • 「社団医療法人の社員の地位」と「株式会社の株主の地位」をまったく同じだと考えている
  • 社員の中に株式会社などの営利を目的とする法人がいる

 

 

社員についての確認事項

社員について、次のようなことができているか確認してください。

  • 現在の社員を全て特定している
  • 社員の地位と従業員の地位を区別している
  • 社員の地位と役員の地位を区別している(社員が役員になれないわけではありません)
  • 社員の数は3名以上であるか(必須ではありませんが3人以上が望ましいとされています)
  • 株式会社などの営利を目的とする法人が社員にいない
  • 社員の権限には差がなく平等である
  • 未成年者が社員になる場合は、義務教育終了程度の者で自分の意思で議決権が行使できるくらいの弁別能力がある

 

 

社員の入社・退社についての確認事項

社員の入社・退社について、次のようなことができているか確認してください。

  • 社員の入社に際して、署名・押印がある入社届けなどで本人の意思確認が行われている
  • 社員の入社に際して、社員総会における承認など定款に定められている手続きが行われている
  • 社員が亡くなり、その相続人が新たに社員になる場合であっても、上記と同様の定款に定められている手続きが行われている
  • 社員総会議事録や入社届けなど社員の入社手続が行われたことを証明する書類を、省略せずに作成・保管している
  • 社員の退社に際して、署名・押印がある退社届けなどで本人の意思確認が行われている(除名や死亡の場合は除く)
  • 社員の退社に際して、社員総会における承認など定款に定められている手続きが行われている
  • 社員の除名を行う場合、定款に定められている要件の該当性が精査されている
  • 社員総会議事録や退社届けなど社員の退社手続が行われたことを証明する書類を、省略せずに作成・保管している
  • 社員名簿を作成して備え置いている
  • 社員の入社・退社がある毎に社員名簿を更新している

 

 

おわりに

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社団医療法人の機関 | 社団医療法人の基礎-2

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院の支援を得意としている公認会計士・税理士が歯科医院の会計や税金について解説します。

今回は、歯科医師先生が設立する社団医療法人の各機関について説明したいと思います。

 

 

 

社団医療法人のしくみ

医療法人にはさまざまな組織形態がありますが、歯科医師先生が医療法人を設立する場合、一般的には社団医療法人として設立することになります。

 

社団医療法人の機関は下の図のように設計されています。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した社団医療法人のしくみ

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した社団医療法人のしくみ

 

 

社員とは

社員とは、社員総会において1人1個の議決権を持つ、社団医療法人(以下、医療法人)の構成員のことをいいます。

ここで言う社員とは、従業員のことでありません。株式会社における株主をイメージしてください。

社員が医療法人の構成員であるのに対して、従業員は医療法人が雇用している人になります。

 

 

社員総会とは

社員総会は、社員によって構成される医療法人の最高意思決定機関になります。
株式会社における株主総会をイメージしてください。

ただし、
株式会社の株主総会においては、株主がその持分割合に応じて議決権を持つのに対して、
医療法人の社員総会においては、出資の金額などに関わらず社員が1人1個の議決権を持ちます。

 

 

理事とは

理事は、社員総会で専任される医療法人の役員です。
理事の過半数によって医療法人の業務を決します。
医療法人には原則として理事を3名以上置かなければなりません。

株式会社における取締役をイメージしてください。

 

 

理事長とは

理事長は、理事のうち医療法人を代表する者で、理事の互選によって選出されます。
原則として医師または歯科医師であることが必要です。

株式会社における代表取締役をイメージしてください。

 

 

理事会とは

理事会は、理事によって構成される医療法人の業務執行の意思決定機関です。
医療法人の業務は理事の過半数で決しますが、理事の合議機関として理事会を設けている医療法人が多くあります。

株式会社における取締役会をイメージしてください。

 

 

監事とは

監事は、社員総会で専任される医療法人の役員で、医療法人の業務や財産の状況の監査などを行います。

株式会社における監査役をイメージしてください。

理事についてくわしくはこちら
監事とは | 医療法人の監事-1

 

 

おわりに

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社団医療法人のしくみ | 社団医療法人の基礎-1

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院の支援を得意としている公認会計士・税理士が歯科医院の会計や税金について解説します。

今回は、歯科医師先生が設立する医療法人の多くを占める組織形態である社団医療法人の基礎について説明したいと思います。

 

 

 

社団医療法人

医療法人とは、病院、医師もしくは歯科医師が常時勤務する診療所又は介護老人保健施設を開設することを目的として、医療法の規定に基づき設立される法人のことをいいます。

医療法人にはさまざまな組織形態がありますが、歯科医師先生が医療法人を設立する場合、一般的には社団医療法人として設立することになります。

 

 

社団法人と財団法人

社団法人とは、一定の目的を持つ構成員である社員によって設立された法人のことをいいます。

財団法人とは、個人や法人から拠出された財産をもとに設立された法人のことをいいます。

社団法人はヒトがもとになっており、財団法人はモノ(財産)がもとになっています。

公益性が認められた場合は、公益社団法人、公益財団法人になります。
公益性にこだわらずに事業を行う場合は、一般社団法人、一般財団法人になります。

株式会社などがお金を稼いでそれを分配することを目的にしているのに対して、社団法人や財団法人は利益分配を目的にしていません。

 

 

社団医療法人のしくみ

社団医療法人には、構成員である社員のほか、医療法の定めにより社員で組織する社員総会、理事、理事長、監事が置かれることになっています。また、理事で構成される理事会が設置されます。

次のように株式会社と対比してみるとイメージしやすいかもしれません。
社員 ≒ 株主
社員総会 ≒ 株主総会
理事 ≒ 取締役
理事長 ≒ 代表取締役
監事 ≒ 監査役

社団医療法人のしくみを図で表すと次のようになります。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した社団医療法人のしくみ

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した社団医療法人のしくみ

 

 

おわりに

税理士をお探しの歯科医師先生や歯科医院・医療法人の方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある税理士法人インテグリティにお声がけください。歯科医院特有の会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスにも強い公認会計士・税理士が、歯科医院が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

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歯科医師先生や歯科医院のお役に立てる情報があるかもしれないので、こちらの情報の一覧もご覧になってみてください。

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個人開業医から医療法人を設立した年の税金

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院の支援を得意としている公認会計士・税理士が歯科医院の経理や税務について解説します。

今回は、個人開業医から医療法人を設立した年の税金について説明したいと思います。

 

 

法人成り

歯科医師個人として歯科医院を経営する立場から、組織変更して医療法人を設立することを「法人成り」ということがあります。

法人成りした年については、個人の税金と法人の税金という2つの税金の計算をしなければなりません。

  • 歯科医師先生個人の税金
  • 新たに設立した医療法人の税金

特に、個人の所得税の計算が複雑になるので注意して下さい。

 

 

歯科医師先生個人の税金

医療法人を設立した年の歯科医師先生個人の税金については、次のようなポイントがあります。

 

事業所得から給与所得

医療法人の設立日までの歯科医院の儲けは、個人の「事業所得」として計算します。

医療法人の設立日以後の歯科医院の儲けは、法人の所得として計算します。
そして、医療法人から給料(理事長報酬)をもらう立場になります。この給料は個人の「給与所得」になります。

医療法人を設立した年については、「事業所得」と「給与所得」を合計して、個人の所得税の確定申告をすることになります。

また、個人事業主としての歯科医院の廃業手続きも必要になります。

 

 

資産の譲渡・引き継ぎ

歯科材料や医薬品、歯科ユニットチェアなどの歯科医院の資産について、医療法人を設立したら、個人から法人に譲渡・引き継ぎをしなければなりません。

個人が所有する資産を、新たに設立した医療法人に譲渡することになるので、次のような論点が生じます。

  • 譲渡価額をいくらに設定すればいいのか
  • 譲渡価格によっては個人の「譲渡所得」が発生する
  • 資産の譲渡なので消費税が関係してくる

税金の金額に大きく影響する場合があるので、顧問の税理士に相談して念入りに検討する必要があります。

 

 

医療法人の税金

医療法人の設立日から決算日までの、歯科医院の儲け(所得)を計算して、法人税の確定申告をします。

医療法人から理事長に支払う報酬については、他の従業員に支払う給料と同様に、毎月源泉徴収を行い、年末調整します。

 

 

おわりに

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医療法人のメリットとデメリット-2

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院の支援を得意としている公認会計士・税理士が歯科医院の経理や税務について解説します。

 

今回は、医療法人を設立した場合のメリットとデメリットのうち、デメリットについて説明したいと思います。

メリットについてはこちら
医療法人のメリットとデメリット-1

 

 

医療法人を設立するメリットとデメリット

医療法人を設立するためには、時間とお金をかけて面倒な手続きをしなければなりません。
しかし、1985年に一人歯科医師医療法人が認められて以来、多くの歯科医師先生が医療法人を設立するようになりました。

これは、医療法人を設立することにメリットがあることを物語っているといえるでしょう。

しかし、医療法人の設立にはメリットだけでなくデメリットもあるので、医療法人をお考えの場合は、税理士などとよく相談してください。

メリットについてはこちら
医療法人のメリットとデメリット-1

 

 

医療法人のデメリット

医療法人を設立すると、事務負担の増加や金銭支出の増加といったデメリットが生じます。

そのため、医療法人設立をお考えの場合は、による節税メリットと、下記のようなデメリットを比較検討してください。

主なデメリットとして次のようなものがあります。

 

設立許可

医療法人を設立するためには、都道府県の許可が必要になります。
診療所を1つの都道府県ではなく、複数の都道府県に設立する場合は厚生労働大臣の許可が必要になります。

 

設立登記費用

医療法人を設立するためには、登記が必要になり、そのための費用がかかります。

 

事業報告

毎年、事業報告書や財産目録、貸借対照表、、損益計算書、監事の監査報告書などを都道府県に提出して報告しなければなりません。

 

 

社会保険負担

医療法人を設立すると社会保険加入が強制になります。この社会保険料の医療法人負担分は、場合によっては非常に大きくなって、医療法人設立のメリットを超えてしまうこともありますので、特に注意してください。

 

 

剰余金の分配禁止

株式会社は、株主(出資者)に対して、剰余金(儲け)を配当として分配することができます。
対して、医療法人の場合は、剰余金(儲け)を分配することができません。

 

 

交際費の制限

医療法人の場合は、交際費を損金(税金計算上の経費)にする金額に制限があります。

 

 

税理士料金アップ

医療法人になると、法人税の申告書の作成などの税務がより複雑になるため、同じ規模の医院であったとしても、税理士に支払う料金が増加してしまうことが一般的です。

 

 

おわりに

医療法人設立のメリット・デメリットには税金が関係するものが多いため、税理士に相談することをオススメします。特に社会保険料の増加については注意して下さい。

税理士をお探しの歯科医師先生や歯科医院・医療法人の方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある税理士法人インテグリティにお声がけください。歯科医院特有の会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスにも強い公認会計士・税理士が、歯科医院が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
歯科医師先生や歯科医院のお役に立てる情報があるかもしれないので、こちらの情報の一覧もご覧になってみてください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

医療法人のメリットとデメリット-1

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院を支援する公認会計士・税理士が歯科医院の会計や税金について解説します。

今回は、歯科医師先生が医療法人を設立するメリットとデメリットのうち、メリットについて説明したいと思います。

デメリットについてはこちら
医療法人のメリットとデメリット-2

 

 

医療法人を設立するメリットとデメリット

医療法人を設立するためには、時間とお金をかけて面倒な手続きをしなければなりません。
しかし、1985年に一人歯科医師医療法人が認められて以来、多くの歯科医師先生が医療法人を設立するようになりました。

これは、医療法人を設立することにメリットがあることを表しているともいえます。

しかし、医療法人の設立にはメリットだけでなくデメリットもあるので、医療法人をお考えの場合は、税理士などとよく相談してください。

 

 

医療法人のメリット

医療法人を設立するメリットには、経営基盤の安定や、顧客(患者さん)からのイメージアップなどがありますが、中心となるメリットは次にあげるような節税効果にあります。

 

所得税と法人税の税率の差による節税

個人開業医の場合は、歯科医院の儲けに対して所得税がかかります。この所得税は儲けが大きくなるほど税率が上がってしまう累進課税になっています。

対して、医療法人の場合は、歯科医院の儲けに対して法人税がかかります。この法人税は儲けの大きさにかかわらず、ほぼ一定の税率になります。

儲けが少ないうちは所得税の方が低い税率になりますが、ある程度の儲けがでてくると、税率が逆転して、法人税の方が低い税率になります。

このため、ある程度の儲けが出ている歯科医院の場合は、医療法人を設立した方が節税になるのです。

 

給与所得控除で節税

個人開業医の場合は、歯科医院の儲けが、そのまま歯科医師先生個人の儲けになります。そしてその儲け(事業所得)に対して所得税がかかってきます。

対して、医療法人を設立すると、院長先生は医療法人の理事長になります。
理事長は、医療法人からお給料(給与所得)をもらうカタチになります。

お給料(給与所得)には給与所得控除という、自動的に所得を減らせる制度があります。所得が減れば税金も減ります。
この給与所得控除制度がある分だけ、同じ金額の儲けであっても事業所得として得るよりも、お給料(給与所得)としてもらう方が節税になるのです。

 

儲けを分散して節税

個人開業医の場合は、歯科医院の儲けが、そのまま歯科医師先生個人の儲けとして、先生一人に税金がかかります。

対して、医療法人を設立して、先生が理事長で家族を理事に就任させれば、医療法人から理事長だけでなく家族の理事などにもお給料を支払うことができます。

所得税は儲けが多くなるほど高い税率になる累進課税なので、先生一人に歯科医院の儲けの全てを集中させるよりも、理事となった家族にも分散させることで、節税になるのです。

なお、個人開業医の場合も、専従者控除給与という家族に給料を支払って儲けを分散させて節税する制度がありますが、専従者よりも理事のほうが一般的に給料の額を高く設定できるので、医療法人の方がより節税効果が高いといえます。

 

 

生命保険料を経費にできる

個人開業医の場合は、生命保険に加入して保険料を払っても、歯科医院の必要経費にすることはできません。確定申告において、一定の金額の保険料だけ生命保険料控除として使えるのみなので節税効果は高くはありません。

対して、医療法人の場合は、医療法人が保険契約者になり理事長などを被保険者にすることで、契約内容にもよりますが、支払った保険料を医療法人の経費(損金)にすることができ、保障を確保するとともに節税にもなります。

 

 

退職金がもらえる

個人開業医の場合は、院長先生に対する退職金という制度はありません。
また、専従者としている家族に退職金を支払っても必要経費にすることはできません。

対して、医療法人の場合は、理事長や家族の理事に対して退職金を支払うことができます。支払った退職金は医療法人の経費(損金)になるので医療法人の節税になり、退職金を受け取った側の理事長や理事においても、退職所得として税金が優遇されます。

 

 

おわりに

デメリットについてはこちら
医療法人のメリットとデメリット-2

医療法人のメリットには税金がからむものが多いため、医療法人の設立をお考えの場合は税理士に相談することをオススメします。

 

税理士をお探しの歯科医師先生や歯科医院・医療法人の方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある税理士法人インテグリティにお声がけください。歯科医院特有の会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスにも強い公認会計士・税理士が、歯科医院が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
歯科医師先生や歯科医院のお役に立てる情報があるかもしれないので、こちらの情報の一覧もご覧になってみてください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。