所得計算の特例の社会保険診療報酬の範囲と総収入金額の範囲 | 概算経費-3

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

歯科医院を支援する公認会計士・税理士が歯科医院の税金や節税について解説します。

今回は、所得計算の特例(租税特別措置法第26条)における社会保険診療報酬の範囲と総収入金額の範囲について説明したいと思います。

 

 

所得計算の特例の適用条件

個人開業の歯科医師先生が所得計算の特例(租税特別措置法第26条)を適用するためには次の2つの条件を満たす必要があります。

  • 1年間の社会保険診療収入が5,000万円以下
  • 1年間の事業所得にかかる総収入金額が7,000万円以下

よって社会保険診療収入の範囲と総収入金額の範囲が重要になってきます。

 

 

所得計算の特例の対象になる社会保険診療報酬の範囲

所得計算の特例の対象になる社会保険診療報酬の主な範囲は、次の法律などに基づく給付又は医療、介護、助産若しくはサービスになります。

  • 健康保険法
  • 国民健康保険法
  • 船員保険法
  • 国家公務員共済組合法
  • 地方公務員等共済組合法
  • 私立学校教職員共済法
  • 母子保健法
  • 児童福祉法
  • 生活保護法
  • 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
  • 介護保険法 など

所得計算の特例の対象になる社会保険診療報酬の範囲には、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会などから支払いを受ける部分だけでなく、いわゆる患者さんの自己負担額部分についても含まれるので注意して下さい。

 

 

総収入金額の範囲

所得計算の特例の適用を判定する際の総収入金額は、次の3つの合計金額になります

  • 上記の社会保険診療収入
  • 自由診療収入
  • 雑収入

 

ただし、次の金額については、医業活動から経常的に発生する収入ではないため、所得計算の特例の適用を判定する際の総収入金額には含めないこととされています。
(租税特別措置法関係通達(法人税編)67-2の2を準用)

  • 国庫補助金、補償金、保険金その他これらに準ずるものの収入金額
  • 固定資産又は有価証券の譲渡に係る収益の額
  • 受取配当金、受取利子、固定資産の賃貸料等営業外収益の額
  • 貸与寝具、貸与テレビ、洗濯代等の収入金額
  • 医薬品の仕入れ割戻しの金額
  • 電話使用料、自動販売機等の手数料に係る収入金額
  • マスク、歯ブラシ等の物品販売収入の額

 

 

おわりに

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。