はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
歯科医院を支援する公認会計士・税理士が歯科医院の会計や経理について解説します。
今回は、歯科医院の損益計算書の見方と損益計算書における各利益について説明したいと思います。
損益計算書とは
損益計算書は、個人事業主の事業や株式会社などの法人の会計期間(通常は1年間)における経営成績を表す財務諸表(決算書)のひとつです。
損益計算書を見ることで、どれくらい売上があったのか、どれくらい費用や経費がかかったのか、そして売上や収益から費用や経費を差し引いて最終的にどれくらいの儲け(利益)が出たのか、というような経営成績を把握することができます。
損益計算書は、英語表記の「Profit & Loss Statement」の頭文字をとってP/L(ピーエル)と呼ばれることも多いです。
歯科医院の損益計算書と各利益
歯科医院の損益計算書は、一般事業会社のいわゆる普通の損益計算書と仕組みは同じですが、使っている用語が異なってきます。
全体像はこのようになっています。
損益計算書(単位:千円) | |||
A | 医業収益 | 42,318 | 診療収入など医業での収益 |
B | 医業費用 | 31,354 | 材料医薬品費や給料など医業にかかる費用 |
C=A-B | 医業利益 | 10,964 | 本業である医業での儲け |
D | 医業外収益 | 325 | 物品販売など診療行為に付随しない収入 |
E | 医業外費用 | 2,462 | 支払利息など診療行為に付随しない費用 |
F=C+D-E | 経常利益 | 8,827 | 経常的な活動による利益 |
G | 臨時収益 | 46 | 保険金収入など臨時に発生した収入 |
H | 臨時費用 | 179 | 災害損失など臨時に発生した損失 |
I=F+G-H | 税引前利益 | 8,694 | 臨時発生した損益も加味した利益 |
医業利益は、医業収益から医業費用を差し引いて計算される利益です。
診療など本業である医業そのものによって、どれくらいの利益が出たのかを表します。
経常利益は、医業利益に医業外収益を加算して医業外費用を減算して計算される利益です。
本業での儲けに、毎年経常的に発生する損益(例えば支払利息など)を加減算することで、歯科医院の総合的な儲けを表します。この経常利益が経営成績としては最も重要視される利益になります。
税引前利益は、経常利益に臨時収益を加算して臨時費用を減算して計算される利益です。
臨時的に発生した損益も加減した利益で、この利益を基にして、個人開業の歯科医院なら所得税や住民税・事業税、医療法人の歯科医院なら法人税や住民税・事業税が計算されます。
おわりに
損益計算書の見方のポイントは医業利益や経常利益といった各段階での利益が何を表すかを理解することにあります。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。