はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
歯科医院を支援する公認会計士・税理士が税金や節税について解説します。
今回は、MS法人を設立するメリットとデメリットについて説明したいと思います。
MS法人とは
MS法人とは、メディカルサービス(medical service)法人の略称で、
歯科医師先生の診療業務に付随した歯科医院の各種業務などを行う株式会社等の法人のことをいいます。
MS法人については、下記ページを参照ください。
MS(メディカルサービス)法人とは MS法人
MS法人のメリット
MS法人設立するメリットとしては次のようなものがあります。
節税
歯科医師先生の高額な所得をMS法人に分散させることによって節税することができます。
自宅の家賃(または減価償却費相当)の一部をMS法人の経費にすることができます。
利益配当
MS法人の利益(剰余金)を配当(分配)することができます。
(医療法人は剰余金を配当することができません)
退職金
個人開業の歯科診療所では院長先生や家族従業員に退職金を払うことができませんが、MS法人からであれば退職金を払うことができます。
(医療法人であれば退職金を払うことができます。)
相続税対策
MS法人設立の際の株主持分の構成を調整することによって、歯科医師先生本人の財産を、ご存命のうちに親族に分散させることで相続税対策になります。
経営の効率化
本業である医療業務とそれに付随するその他の業務を分けることによって、経営実態が把握しやすくなり、さまざまな効率化を図ることができるようになります。
MS法人のデメリット
MS法人設立するデメリットとしては次のようなものがあります。
設立費用
MS法人を設立するために、煩雑な設立手続きや設立費用がかかります。
維持費用
MS法人という1つの会社を維持存続していくために、人事労務や会計税務などといった事務手続きや管理業務にかかる手間とコストが追加で発生します。
税務調査対策
歯科医院とMS法人の取引について税務署に認めてもらえない(否認される)事態を防ぐために、念入りに税務調査対策をする必要があります。
歯科医院とMS法人が実質的には1つであると言われないように、MS法人の経営実態、取引価格の設定、労務管理の状態などしっかりと整えなければなりません。
おわりに
MS法人の設立にあたっては、顧問税理士などとよく相談して、デメリットもしっかりと把握したうえで実行してくださいね。近年の税制ではMS法人を設立するメリットは薄れてきて、メリットよりもデメリットの方が大きくなってしまう場合の方が多いのが実情です。
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
歯科医師先生や歯科医院のお役に立てる情報があるかもしれないので、こちらの情報の一覧もご覧になってみてください。
東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。