はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
東京の歯科医師先生と歯科医院を支援する公認会計士・税理士が税金や節税について解説します。
今回は、病院用建物を個人から関係会社に譲渡した場合の賃料についての裁決を紹介したいと思います。
納税額を不当に減少させているかが問題
個人Aで所有していた病院用建物Bを新たに設立した関係会社Cに譲渡して、個人Aは病院用建物Bの賃料をその関係会社Cに支払って個人Aの必要経費として所得税の申告を行っていた場合における適正な賃料についての国税不服審判所の裁決(平成10年4月24日)があります。
個人Aは、関係会社Cに支払っていた病院用建物Bの月額の賃料は、類似建物の月額賃料の1.4倍程度のものであり、著しく過大なものではないから、個人Aがその賃料を必要経費として所得税の申告を行ったことに不当なものはないと主張しました。
一方、税務署は、類似建物の月額賃料を超える部分については、所得税の負担を不当に減少させるものとして必要経費として認めない、という更正処分を行いました。
これに対して国税不服審判所は、所得税の負担を不当に減少させる結果となったか否かについては、単に基準となるべき適正な賃料との比率の差が大きいか小さいかだけで一律に判断すべきものではなく、その基準となるべき適正な賃料に基づいて算出した納付すべき税金と、個人Aが関係会社Cに支払った賃料に基づいて算出した納付すべき税金とを比較して、その差額がどのくらいであるかを考慮して判断すべきもの、としています。
そして、個人Aが関係会社Cに支払う病院用建物Bの賃料の決定は、関係会社Cとその関係人である個人Aであるために可能となった行為または計算であることが認められ、個人Aのこのような行為は、純経済人の行為として不自然・不合理な行為または計算によるものであり、その結果として賃料が不当に高額なものとなっており、個人Aの所得税の負担を不当に減少させているものと認められる、として個人Aの主張を退けました。
このように、国税不服審判書では、賃料が相場に比べてどれだけ高くなっているかという比率の大きさの問題ではなく、その結果として税金を不当に減少させているかどうかで判断しています。
おわりに
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。