はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
歯科医院を支援する公認会計士・税理士が歯科診療所経営のための財務分析について解説します。
今回は、設備投資など固定資産の資金源泉の適正性を調べるための安全性分析指標である固定比率について説明したいと思います。
固定資産の特徴
固定資産に投資された資金は減価償却費となって毎年少しずつ回収されるため、全額が回収されるまでには長い期間を要します。
そのため、固定資産の購入する場合の資金は、返済期限が決まっている借入金(他人資本)で調達するのではなく返済の必要がない自己資本で調達した方が、財務体質が安定します。
固定比率とは
歯科診療所の土地や建物、内装費などの箱モノ、歯科ユニットチェア、歯科用CT・レントゲンなどの医療機器といった固定資産が、自己資本(個人事業主の場合は元入金)で調達されている割合を固定比率といいます。
固定比率(%) = 固定資産 / 自己資本
この固定比率は100%以下が望ましいとされています。
固定比率が100%以下とは、固定資産をすべて自己資本でまかなっている状態をいいます。
固定比率が低いほど財務的には安全であると言えますが、借入をしたくないために必要な設備投資まで抑制してしまっては、将来の利益獲得の機会を逃してしまうことにもなりかねないので注意して下さい。
借入金ゼロで将来100のもうけを出すよりも、借入金100で将来300のもうけを出すほうが手元に残る現金は大きくなります。計画に基いて適切な設備投資を行うことは歯科医院の経営者として大切な仕事になります。
なお、歯科医院において固定比率を100%以下にすることは大変厳しく、実際には設備投資の一部を借入金でまかなっている歯科医院が多いと思います。このような実情に合った指標として固定長期適合率というものがあります。
固定長期適合率についてはこちら
固定長期適合率とは | 歯科医院の安全性分析-4
おわりに
公認会計士資格を持つ税理士をお探しの歯科医師先生や歯科医院・医療法人の方がいらっしゃいましたら、東京都港区にある税理士法人インテグリティにお声がけください。歯科医院特有の会計や税金だけでなく、ビジネスやファイナンスにも強い公認会計士・税理士が、歯科医院が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
歯科医師先生や歯科医院のお役に立てる情報があるかもしれないので、こちらの情報の一覧もご覧になってみてください。
東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。