はじめに
こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。
歯科医院を支援する公認会計士・税理士が歯科医院の税金や節税について解説します。
今回は、自由診療にかかるものだけを外注している歯科技工所がある歯科医院における所得計算の特例(租税特別措置法第26条)の注意点について説明したいと思います。
自由診療分の実際に発生した必要経費の計算
自由診療分の実際に発生した必要経費のうち一般経費分については次の式で計算します。
( ①一般経費の総額 - ②自由診療分と社会保険診療分とに明確に区分することができる一般経費 )
✕ 自由診療割合
+ ①のうち自由診療分として明確に区分することができる一般経費
= 自由診療分の実際に発生した必要経費のうち一般経費分
「②自由診療分と社会保険診療分とに明確に区分することができる一般経費」とは、例えば次のようなものをいいます。
- 事業税(自由診療分)
- 消費税(自由診療分)
- 第三者に委託したレセプト請求費用(社会保険診療分)
- 未収金を個別管理している場合の貸倒損失など
歯科技工所への外注費
自由診療分の実際に発生した必要経費のうち一般経費分を計算するにあたって、自由診療にかかるものだけを外注する歯科技工所に支払う外注費をどう扱うかが問題になります。
自由診療のみにかかる外注費であるため、上式の「②自由診療分と社会保険診療分とに明確に区分することができる一般経費」に当てはまるとお考えになるかもしれません。
しかし、自由診療にかかるものだけを外注する歯科技工所に支払う外注費については、「②自由診療分と社会保険診療分とに明確に区分することができる一般経費」には含めないのが正しい計算になります。
なんとなくしっくりこないと思われる方も多いと思いますが、次のように考えると少しは納得できるかもしれません。
必要経費の中に明らかに自由診療分であるものが含まれている場合であっても、それを「②自由診療分と社会保険診療分とに明確に区分することができる一般経費」として「①一般経費の総額」から差し引いてしまうと、算式における()の中の社会保険診療分の割合が相対的に大きくなってしまいます。そこに自由診療割合を乗じて、自由診療分として按分してしまうと、自由診療分の一般経費の金額が実際の姿とずれてしまうことになります。
おわりに
この論点は税理士でも間違うことが少なくないところでもあるので注意してくださいね。
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最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。